クォンとミンダルシア。両大陸の橋になるように位置するのがジュノ大公国である。
サンドリア・バストゥーク・ウィンダスの3大国の丁度中心に位置することから、ジュ
ノは常に冒険者で賑わっていた。
 しかし最近は新大陸であるアトルガン皇国への航路が確立され、冒険者は皆アトルガン
皇国を拠点にするようになった。そのため今のジュノは昔ほどの賑わいはみられなくなっ
ている。
 ところが今、まるで賑わっていたあの頃の様な活気に満ち溢れている。それは今開催さ
れているイベントがその要因である。
 イベントの内容はジュノ港・ジュノ下層・ジュノ上層の層知事を選挙で決め、晴れて層
知事に当選すればとても大きな権限を得ることができるといったものだ。当選した暁に得
ることができる権限はイベント開始と同時に公表されているため、今度のイベントは大い
に盛り上がりを見せている。
 しかし、選挙であるからには無論リスクも伴う。
 まずジュノは3大国とは違い中立国であるため、立候補がジュノ選挙管理委員に受理さ
れると同時に所属国が無くなるのである。落選した際は希望する国にまた所属することは
できるが、立候補前は関係なくランク1になり、持っていたリージョンポイントもリセッ
トされることになる。
 また、立候補には推薦人が30名も必要となるため、ここで自然に人徳もみられること
になる。
 それでも立候補者は無数あらわれた。LSから代表として立候補する者もいれば、自分の
人徳を信じて推薦人を友人に頼んで30名分集めた者とさまざまである。
 選挙活動はさまざまな方法で展開される。それはシャウトで投票を願い出る者もいれば、
自分でホームページを作ってそこにマニュフェストを掲げる者もいた。
 すでに選挙は開始されていて、ジュノ港知事とジュノ上層知事は決定されている。
 ジュノ港知事は元ウィンダス所属のタルタル男性・ジッタヴァンタ。彼が手にした権限
は貿易権と呼ばれ、ジュノと3大国を結ぶ飛空挺の運行本数と運賃及び、マウラ・セルビ
ナ間とマウラ・アトルガン皇国間を結ぶ航路の運行本数と運賃を自由に変更することと、
ジュノ・タブナジア地下壕・アトルガン皇国の競売所売での税金の税率、ジ
ュノ・アトルガン皇国で路上バザーで徴収される税金の税率を変更できるようになる。
 ジュノ上層知事は元バストゥーク所属のガルカ・レオサントラ。彼が手にした権限は合
成権と呼ばれ、各国にあるギルド売店で売られる基本素材の供給量や、合成スキルに
応じた合成成功率とHQ発生率の調整ができるようになる。
 そして今日、最も候補者が多かったジュノ下層知事の選挙が行われる。ジュノ下層知事
に当選した暁に手にする権限は戦闘権と呼ばれ、モンスターを倒した時に得られる経
験値率と戦利品や獣人を倒した際に得られるギルのドロップ率を調整できるようになる。
 候補者が多いとはいえ、今までの選挙活動と明確なマニュフェストの掲示で事実上2人
の候補者での一騎打ちとなった。
 1人は元バストゥーク所属のヒューム女性のマヤ。彼女のマニュフェストはクォンとミ
ンダルシア大陸にいるモンスターの経験値率を上げてレベリングを行いやすくすることに
より、連日満員御礼であるアトルガン皇国付近のレベル60以降レベリングの混雑を緩和
すると掲げている。そのためマヤは新規で始めたばかりのプレイヤーや、フ
レンドと冒険を楽しみたいプレイヤーに支持されると予想されている。
 もう1人は元サンドリア所属のエルヴァーン男性のアルトニオ。彼のマニュフェストは
ギルのドロップ率を若干上げ、アイテムや素材のドロップ率を下げることにより、今は相
場的に余り評価されていない合成で作られる装備に本来あるべき価値を見出すと掲げてい
る。そのためアルトニオは合成職人の様に熟年プレイヤーに支持されると予
想されている。
 選挙活動期間はすでに昨日の18:00で終了している。後は今日の10:00から開
始される投票で決することになる。

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