8:00-8:45 アルトニオ&マヤ共通パート

8:45
「んーねえさま。めっちゃグッジョブでした!」
吟遊詩人の酒場を出たマヤとカレンは、カレンの両手で親指を突きたてるポーズと、ちょ
っとアレな感想で和気あいあいと話す。
 酒場を出た二人は満面の笑みだった。今回の演説に満足している様だ。
 外は野次馬に溢れかえっているが、ジュノ選挙管理委員が整備していた。マヤが人に揉
まれるようなことはなかった。
「それで、この後どうしようか。ねーさま。」
「んー投票までまだ少し時間があるし、いったん自室にもどりましょうか。」
「あい。その前に何か食べるものも買っていきましょう。」
2人はレンタルハウスの方向に歩き始めた。
 まさに、やるだけの事はやった。まさに、その様な感じだった。
……ズドン!
 突如、鼓膜が破れるかと思うほどの爆音を白い煙が周りを包む。
「な?何事です?」
あまりの轟音にパニックになるカレン。
 マヤは周りを見回して情報を集めようとする。
……ドス
 マヤの頭に鈍い音が響く。耳から来る轟音とは違う、今度は自分の体から響いてきた音
だ。全く質が違うものだった。
 マヤがこの鈍い音の音源と思われる腹部を見ると、自分の腹部には握り拳が埋まってい
る。
 そうか、殴られたのか。
 マヤがそう理解すると、周りに、カレンに身に起こっている異変を知らせようとする。
 悲鳴をあげるか?腕を振り回すか?
 声を出したか?手は動いたか?
 口は動いたか?せめて指は動いたのか?
 マヤの目の前はいつの間にか暗くなっていた。

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