8:00-8:45 アルトニオ&マヤ共通パート

8:45
「さてと。今回の演説だけど。」
「おいおい。終わってすぐに反省会かよ。」
 アルトニオは両手を上げて抗議する。
 アルトニオとアリスは肩を揃えて吟遊詩人の酒場をでる。アルトニオは酒場を出て第一
声に不安がある様だ。
「大体。反省会したところで、もう演説はできない。ムダじゃないか。」
「ふむ、そうね。だったら私の感想を言わせてもらうわ。」
 アリスは足を止めて腕を組む。アリスが不機嫌ということは、アルトニオに何か不備があ
ったのだろう。
「まず前半ね。マヤ候補は一息に長い説明で言葉に切れがない、少し聞きにくく分りにく
い内容だったわ。その点、アルは要所要所に区切りをつけて、ジェスチャーを付けながら
の説明だったからわかりやすかった。
 まぁ。ここまではいいわ。」
「な?それでいいなら、いいじゃないか。」
 アルトニオがそう言うと、マヤはアルトニオを睨む。きっと問題はこの後なのであろう。
 周りは生放送があると聞きつけて集まってきた野次馬が多い。アルトニオは少しでも早
くこの場を離れたいのだが、アリスはなかなかそうさせない。
「問題は最後の他の候補者にって質問よ。
 マヤ候補は背筋を伸ばして誠意の感じる事を言っている。それなのにアルは素気ないこ
とを言っている。事前に気を付けろって言ったのに。」
「あー……そのことな。」
 アルトニオは顎に手を当てながら頷く。
 アリスはアルトニオの顔を指さしながら何かを言っている。
……ズドン!
 突如、鼓膜が破れるかと思うほどの爆音を白い煙が周りを包む。
「わ?わ?なんだ、なんだ?」
 アルトニオは片手で片耳を塞いで本能的に身構える。
 しかし、アリスは落ち着いている。アルトニオの袖を掴んで腕力任せに壁側に引き寄せ、
自分が盾になる様にアルトニオの前に立つ。いつの間にかアリスの片手には脇差程度の長
さの短刀を逆手に持って構えていた。
 そして、アリスは素早く目を走らせて状況を把握しようとする。
 すると、アリスは1人のヒュームと目が合った。相手もアリスに気が付いた様だ。だが、
白い煙が目の前に立ちこめて見えなくなった。
 目線の先にいたのはカチェアだった。

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